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Open Babelの解説 : 化学式や分子モデリングのファイル形式変換ソフト&ライブラリ

Open Babelとは? 化学関係では分子などを記述するための多くのファイル形式がありますが、Open Babelはファイルを別の形式のファイルに変換することが出来るオープンソースソフト及びライブラリです。 分子モデルのファイルを読もうとしてその形式がソフトで対応していない場合でも、Open Babelで読み込める形式に変換するといった使い方が出来ます。またソフト自体がOpen Babelのライブラリを組み込んでいて、特に気にせずに様々な形式のファイルを読めるなんてこともあります。 Open Babel誕生までの簡単な経緯 Open Babelはその名前から分かるように、Babelというプログラムに由来しています。 BabelはPat Walters氏とMatt Stahl氏により書かれたプログラムです。その2人がBabelを新たに書き直そうとスタートしたのがOBabelとなります(完成はしなかった模様)。 そしてOpenEye社がGNU GPLライセンスでMatt氏のアイデアも加わったOELibというものをリリースします。 その後OELibはOpenEye社により書き直され、それは現在OEChemと呼ばれています。しかしこのソースコードは公開されていません。そしてオープンソースのOELibはOpen Babelに名前を変えて現在に至るという状況のようです。 ここまでの話は時期的には2000年代初頭の流れのようです。 またその他にOELibから派生したものとしてJAVAで書かれたJOELibがあります。 参考サイト Frequently Asked Questions - Open Babel OpenEye Scientific Software - Wikipedia Open Babel - Wikipedia JOELib - Wikipedia

3D分子モデリングのファイル形式 : xyzファイルフォーマットについて簡単なまとめ

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何回かオープンソースのAvogadroというソフトを使って3Dの分子模型を作ったりしてますが、ちょっと興味が湧いたのでそこで使われるファイル形式について調べてみることにしました。   分子モデリングソフト Avogadro を使ってみる   カメムシ襲来!(秋の風物詩) 3D分子モデリングソフトで使われるファイル形式はかなり多岐に渡っているのですが、今回はその中のxyzフォーマットのファイルについて見ていきます。 以下はAvogadroで作成したヘキサナール分子をxyzフォーマットで出力したものです。 19 Energy: -1.2963865 C -3.10801 1.54119 -0.01611 C -1.98911 0.51172 -0.00651 H -3.03107 2.21469 0.84346 H -4.08177 1.04347 0.02813 H -3.07614 2.14423 -0.92919 C -0.61452 1.17987 -0.00730 H -2.09119 -0.13997 -0.88185 H -2.09142 -0.12093 0.88305 C 0.50986 0.14459 -0.04847 H -0.51212 1.80130 0.89074 H -0.52732 1.84741 -0.87328 C 1.87735 0.80789 0.07828 H 0.45643 -0.42368 -0.98560 H 0.37858 -0.58071 0.76438 C 2.9749...

カメムシ襲来!(秋の風物詩)

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秋と言えば比較的温かい日にどこからともなくカメムシがやってきます。今年も例にもれず、先日網戸に何匹かくっついていました。 カメムシについて簡単に解説しておくと カメムシはカメムシ科の昆虫の総称で、キンカメムシ、アオクサカメムシ、ナガメなどがいます。俗称としてはヘッピリムシ、屁こき虫、クサムシなどがあります。個人的にはヘッピリムシという呼び名をよく耳にします。またその俗称から分かるように、触ると悪臭を放つ虫です。家の中に入ってきたのを捕まえようとするとすぐ悪臭を放つので、なかなか厄介です。一度悪臭を出されると、カメムシを外に放り出してもしばらくは臭いが残ってしまいます。 ちなみに英語では「stink bug」と呼ばれています。「stink」は悪臭という意味でもあります。 その悪臭の主成分はヘキサナール(青臭さ)、トランス-2-ヘキセナール(草や葉の匂い)のようです。臭い成分に関しては諸説あるようで、カメムシの種類によっても違うのかも知れません。詳しくはカメムシや臭い成分分析の文献や論文を調べる必要があるでしょう。 簡単に臭い成分について触れておくと、ヘキサナールは分子モデルで表すと次のようになります。 高画質版をYoutubeにアップロードしています。 3D分子モデル : ヘキサナール / Hexanal - YouTube またトランス-2-ヘキセナールに関しては以下のようになります。 高画質版はこちら 3D分子モデル : トランス-2-ヘキセナール / trans-2-Hexenal - YouTube 両方の分子ともに炭素原子が6つ、酸素原子が1つと構造が似ていますが、結合が若干異なります。 さてカメムシのお話に戻ると、秋は越冬のため人家に飛来することはあるそうです。外に洗濯物や布団を干しておくと、それにくっついて洗濯物などを取り込んだときに一緒に室内に入ってしまうということもあります。 ※以下、カメムシの写真や動画があるので、嫌いな方は読むのはここまでにしておいた方がいいでしょう… さて、いつもは見つけたらすぐ外へ逃がすだけですが、ちょっと捕まえてその様子を見てみることにしました。網戸に張り付いているカメムシを空いているペットボトルに捕まえました。アップで撮るとこんな感じ。結構たくましい。 捕...

Emacsの各種フォント設定方法(Linux環境)

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はじめに Emacsにはいくつかフォントの設定方法があります。今回はまず簡単な方法から紹介していきます。古い方法に関してはかなり把握するのが面倒ですが、記録的な意味で一応触りだけ書いておきます。 今回の話は Emacs 24.5.1 Ubuntu 16.04.3 LTS GNOMEデスクトップ環境 で確認をしています。 メニューから選ぶ方法 Emacsでも最近のエディタと同様に、設定メニューからフォント変更が出来ます。 メニューバーの「Options」から「Set Default Font…」を選ぶと次のようなフォント選択画面が出てきます。 ここから好きなフォントとサイズを選ぶと、すぐにその設定が適用されます。しかしこの状態ではEmacsを終了すると、また元の設定に戻ってしまいます。設定を保存するにはメニューバーの「Options」から「Save Options」を選択します。これによりEmacsの設定ファイルにその設定が書き込まれるので、Emacsを終了してもその設定は維持されます。 もし設定を破棄したい場合は、設定ファイル(~/.emacs.d/init.elなど)に書かれた設定を削除するとよいでしょう。 設定ファイルに自分で書き込む方法 自分で設定ファイルに直接書きたい場合、以下のような記述で書くことになります。 (add-to-list 'default-frame-alist '(font . "Takaoゴシック-12" )) この例ではTakaoゴシックというフォントを12ポイントのサイズで指定しています。またフォントサイズの後ろに細かい指定(太字、イタリックなど)も出来ます(詳しくは公式のドキュメントを参照)。また、記述の仕方では"Takaoゴシック 12"といった書き方も出来ます(スペースで設定を区切る方法)。 なお、これら指定方法は、初めに紹介したメニューから選ぶ方法とは設定ファイルの記述が違ってきます。たぶんどちらも同じ設定になると思うのですが、違いが気になる方は調べてみて下さい。 どのようなフォントが使えるかを選ぶには さて設定ファイルに自分で記述する方法では、使いたいフォント名を調べてくる必要があります。正確にフォント名を記...

GNOMEのキーボード・ショートカットで違うキーの組み合わせでも動作してしまっていたので修正

GNOMEデスクトップ環境でウィンドウを画面右半分、左半分に移動するキーボード・ショートカット Ctrl+Super+右矢印キー Ctrl+Super+左矢印キー があったのだけど、なぜか Super+右矢印キー Super+左矢印キー でも同じ動作をしてしまっていました。別のソフトのキーボード・ショートカットの設定でその組み合わせを使おうと思っていたので、修正を試みることに。 GNOMEのこのキーボード・ショートカットの設定を他のキーに割り当てても直らなかったのだけど、一度キーボード・ショートカットの割り当てを「無効」にして再び再設定することでどうやら直った模様。おそらく設定ツールからは変更出来ない場所に何らかの設定が残ったままだったのが原因だったのかと思います(ホントにそうだったという確証はないですが)。 これでウィンドウの移動は一番初めのキーボード・ショートカットで動作して、Superと矢印キーの組み合わせでは何も起きない状態に出来ました。また他のソフトにSuperと矢印キーの組み合わせを割り当てても問題無く動作するように出来ました。

GNOMEデスクトップ環境で挙動が怪しくなったときのリセット方法

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GNOMEデスクトップ環境を使っていて、画面の表示などが何かおかしくなった時に簡単に起動しているソフトなどそのままでリセットする方法があります。GNOME Shellをリスタートするという方法で、キーボードで Alt + F2 を押して、表示されるダイアログに r とだけ入力してエンターキーを押します。これでGNOME Shellがリスタートされます。またこの方法では使用しているソフトはそのままの状態に保たれるようです。 実際に試したときの様子のGIFアニメは以下のとおりです。 ログインし直すというのはよくある方法ですが、だいたいの場合はこの方法でも解消するかと思います。 なお、"r"というのはコマンドではなく、Alt+F2で表示されるダイアログにおいて有効な機能のようです。なので通常の端末に"r"と入力して実行しても何も起きないでしょう。

太陽フレア現象(9月6日発生)の情報まとめ(9月12日昼時点まで)

2017年9月6日発生の太陽フレア現象に関するその後の情報についてまとめてみました。 まず国土地理院の発表。 9月6日に発生した太陽フレアのGPS測位への影響(速報)|国土地理院 9月8日の日中、スマホやカーナビ向けのGPSによる測位精度が悪くなった時間帯が生じたそうです。また専門的な利用向けのGPSの測位精度に関しては、そういった影響を軽減する仕組みがあるようで、これまでのところ影響はないそうです。 次に国立天文台の発表。 「ひので」による大規模太陽フレアを起こした活動領域の観測について | 科学衛星「ひので」 太陽観測衛星ひのでによる観測データがまとめられています。今回の太陽フレア現象でもいろいろとデータが取得出来たとのことなので、より詳しい研究につながっていくと思われます。リンク先にはひのでにより撮影された動画と、太陽フレア現象自体の解説動画が掲載されています。より深く太陽フレア現象について知りたい場合は参考になるかと思います。 太陽で起きた現象が地球に影響するということは当然日本だけの話ではありません。 NASA( National Aeronautics and Space Administration: アメリカ航空宇宙局)も次のような情報を出しています。 SDO | Solar Dynamics Observatory Sun Erupts With Significant Flare | NASA (9月6日以降の情報も書かれています) こちらはイギリスの複数の大学の観測チームの情報。 Scientists observe largest solar flare in 12 years

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