Ubuntu15.10マシンでUbuntu15.10インストールUSBメモリの作成に失敗する件について-原因と現時点での解決方法-

しばらく放置していたノートPC、ちょっと使う用事が出てきたので入れてあるUbuntuの新規インストールを行うことにした。しかし、どうやってもUSBメモリ経由でのインストールに失敗したのでそのときのメモを記しておきます。最終的にはちゃんと最新版のUbuntu15.10をインストールできたのでそれも合わせて記録しておきます。
(ちなみに作業日は2015年12月6日。これ以降では対応が行われてる可能性はあります)

まず対象となるノートPCのスペックは
PC : Sony VAIO VGN-TZ92S (2008年購入)
CPU : Core 2 Duo プロセッサー U7600 1.20GHz
メモリ : 2GB
HDD : 120GB
OS : Ubuntu12.04LTS(32bit), Windows Vista (デュアルブート)




で、インストールUSBメモリを作るマシンはUbuntu15.10(64bit)をインストールしてあるデスクトップPCです(ここが根本的な原因になろうとはこの時点ではまったく思わなかった…。こっちのPCのスペック自体はそんなに関係ないと思うので省略)。

まず、 Ubuntu Japanese Teamのサイトから最新版のUbuntu15.10 日本語 Remix(64bit)のISOファイルをダウンロードしてきて、それをUbuntu標準?の「ブータブルUSBの作成」(usb-creator-gtk)でUSBメモリにインストールメディアとして書き込みます。使ったUSBメモリはTranscend USB3.0 16GBモデル。

さっそくノートPCに挿してインストールしようとしたらブートに失敗。何度試してもダメ。試しにデスクトップPCで大丈夫か確認したらこちらでもブートエラー。どうやらUSBメモリへの書き込みに失敗した模様です。

以前、この「ブータブルUSBの作成」というソフトでインストールUSB作成に失敗したことがあるので、別ソフトを使ってみることにしました。「UNetbootin」というソフト。こちらは以前使って成功したことがあるのでこれで試してみます。
 UNetbootin
 しかし、このソフトで作っても同じくブートエラーが発生してしまいました。

ノートPCのCPUはCore 2 Duoなので64bit OSには対応しているはずですが、念のため32bit版で試してみることにしました。Ubuntu 日本語 Remix 15.10の32bit版はない?(あったらごめんなさい)ので、今度はUbuntuのオフィシャルサイトからUbuntu15.10(32bit)のISOフィアルをダウンロードしてきました。しかしここでも「ブータブルUSBの作成」「UNetbootin」のどちらで試してもブートエラーが発生してしまいました。

ここで「もしや?」と思い、以前インストールに成功している12.04LTS(32bit)で試してみました。そしてこれでもブートエラー。どうやら使用しているUSBメモリが内部的に破損している可能性が高くなりました(後に分かるがこれはハズレ)。

で、ちょっとここで落ち着いてブートエラー時に表示されているエラーでいくつか検索をかけてみることに…。
するとこんなサイトが見つかりました。
 “Boot Error” on live-usb flash drive with 15.10
英語なのでちょっと手間取りましたが、どうやらsyslinuxの変更によってUSBイメージの書き込みに失敗するとされています。つまりノートPCやUSBメモリが原因ではなく、ISOファイルの書き込みに使ったデスクトップPCのUbuntu15.10が原因のようです。
で、この情報はなんとUbuntu15.10のリリースノートに記載されていました…。「最新版をインストールするときはリリースノートをよく読むように」というのは教訓みたいなものですが、まさかこんなところで直面するとは思ってもみませんでした…。たぶん目を通してたけど自分には関係ないと思って読み飛ばしてたんだと思います…(反省)。

一応リリースノートの当該個所を引用しておきます。
<引用始め>

Ubuntu (http://www.ubuntu.com/) より
Ubuntu15.10 (Wily Werewolf) ReleaseNotes
  ↳Known issues
    ↳Boot, installation and post-install
Due to changes in syslinux, it is not currently possible to use usb-creator from 14.04 and earlier releases to write USB images for 15.04 or later; we believe that it is also not possible to use usb-creator from a 15.04 or later system to write USB images for earlier releases. For now the workaround is to use a matching release of Ubuntu to write the images, but we intend to issue updates soon to work around this incompatibility. 1325801, 1446646 and 1499746

Ubuntu Japanese Team (https://www.ubuntulinux.jp/)より
Ubuntu 15.10 (Wily Werewolf) リリースノート
  ↳既知の問題
    ↳起動、インストール、インストール後の問題
syslinuxの変更により、現在のところ、14.04以前のリリースからusb-creatorを使って15.04以降のUSBイメージを書き込むことができません。15.04以降のシステムから以前のリリースのUSBイメージを書き込むこともできないと考えています。今のところの回避策は、書き込むイメージにあわせたリリースを使うことです。しかしながら、この非互換性を回避するためのアップデートをすぐに提供する予定です。 1325801、 1446646 、 1499746

<引用終わり>

どうやらこの部分が関係している可能性が高いです。そのうちアップデートで解決されるようですが、ここではそんなに待っている時間はありません。方法としてはUbuntu15.10のデスクトップPCではなく、例えばWindowsマシンや15.04以前のUbuntuを使ってインストールUSBメモリを作ればよさそうです。最終的にはいま入っている12.04LTSをネット経由でアップデートを繰り返して15.10まで上げる手段も残されています。
解決法がわかったので、なんとなくさっき調べたサイトを見ていると何やら15.10でもインストールUSBメモリの作成に成功しているとの報告が出ていました。

方法は
  Ubuntu15.10のisoファイルを右クリック→[別のアプリで開く]→[ディスクイメージライター]
  転送先にUSBメモリを指定→リストア
でいけるようです。早速試してみることに(ISOファイルとしてUbuntu15.10 日本語 Remix 64bitを使用)。
  


で、USBメモリに書き込みが完了したので、ノートPCに挿して試してみるとちゃんとブートできました!しっかりその後のライブ環境も動いています!
そのままインストールを進めてみると…



無事にインストール完了しました。長かった。本当に長かった…。

結局のところ、現段階(2015年12月6日時点)ではUbuntu15.10でインストールUSBメモリを作成する際は「ブータブルUSBの作成」「UNetbootin」のどちらも使えず、「ディスクイメージライター」(gnome-disk-utilityの機能の一部らしい)を使ってやるのが解決策の一つのようです。

それにしてもやっぱりリリースノートはしっかり読んでおくべきですね。



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