硫化水素による自殺者数について思うこと…

どこかの新聞の記事に、ここ一ヶ月(3月から4月にかけて)で20人近くが硫化水素で自殺を計り死亡したなんてことが報道されていました。

え?20人も硫化水素で自殺しているの?と驚きます、が…
ここで内閣府が発表している「自殺対策白書」を見てみることにします。

自殺対策白書

平成18年あたりまでの自殺に関する統計データが出ています。
ここ10年くらいは毎年自殺者が約3万人くらいで推移しているようです。

だいたい毎日80人くらいの人が自殺しています。毎月だと、約2500人…。
え〜と、硫化水素で自殺した人がここ一ヶ月で20人なので、割合としては
  約0.8%
100人自殺した人がいたら、硫化水素で自殺した人はそのうち1人というくらいです。

自殺対策白書には自殺の手段に関する統計もでています。こちらは男女で若干、自殺手段に差があるようですが、簡単にまとめると
  縊首(首吊り) : 約60%
  ガス     : 約10%
  飛び降り   : 約10%
数値はボクが適当に簡略化しましたが、この3つの手法で全体の8割を占めています。硫化水素はガスに分類されるのかな?練炭による自殺もたぶんガスでしょう。

さて、硫化水素による自殺。最近毎日のように報道されています。一ヶ月で20人の自殺者ということなら、まぁほぼ毎日報道されますね。でも、硫化水素による1人の自殺者の影に99人の首吊り、ガス、飛び降りなどによる自殺者が出ているわけです。その99人については、ほとんど報道されません。

硫化水素については、周囲への被害が大きいということがあるので、毎日報道されているのかもしれません。たしかに硫化水素は非常に危険なガスではあります。では、他の自殺手段はどうかというと、電車への飛び込みでは多くの人の通勤の足に被害がでます。ビルからの飛び降りでも、まれに下にいる人に被害がでます。ガス(都市ガス、プロパン)などは爆発の危険すらあります。硫化水素だけが周囲への被害が大きいという訳じゃないような気がするのは気のせいしょうか?
それに、硫化水素は周囲への被害が大きいという報道を聞いていると、じゃあ他の回りに迷惑をかけない自殺ならいいんですか?と聞きたくなります。

練炭による集団自殺、中学生の自殺、そして硫化水素による自殺と最近自殺に関する報道は多いのですが、なんで人が自殺をするのかという本質的な分析が欠けているような気がしてならない今日この頃です。

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