科学の話 : 湿度について

ジメジメとした湿度、カラッとした湿度

梅雨の時期や冬の結露など、湿度が高くてジメジメしますね。
太平洋側では冬は乾燥しがちですが、こちらは逆に湿度が低いということになります。
湿度が低いと洗濯物が速く乾いたり湿っけで不快になることも減るでしょう。その反面、静電気でドアノブに触れるときバチッとなったり、肌が乾燥して荒れてしまったりと悩みの種にもなります。
湿度は高すぎても低すぎても困りものであり、かつ良い側面もあるので状況に応じてうまく付き合っていく必要がありますね。

では、そんな湿度とは具体的には一体なんでしょう?

今回はその湿度についてみていくことにします。

【余談】
漢字として見ると、「湿度」「温度」は似ているので読み間違いしやすいですね。おまけに両者は似たような文脈で出てくる言葉なので、読み間違いをしていることに気が付き難かったりもします。

湿度とは

湿度とは簡単に言うと、空気に含まれる水蒸気の割合のこと。

水蒸気はよく湯気と誤認されていますが、湯気は水蒸気が冷えて凝縮して細かい水滴となったもの。水蒸気自体は気体としての水なので、こちらは無色透明です。

そして湿度には
  • 絶対湿度
  • 相対湿度
があります。
単に湿度と言った場合は、主に相対湿度の方を指します。
では、絶対湿度、相対湿度とはどのようなものでしょうか。

絶対湿度

絶対湿度は、1m3の空気中の水蒸気の質量をグラムで表したもの。
1m3の空気
1m3の空気

例えば、1m3の空気中に10gの水蒸気があったなら、その時の絶対湿度は
10g/m3
となります。

相対湿度

相対湿度は、空気中の水蒸気量とその温度における飽和水蒸気量との比率。パーセント(%)で表されます。また、水蒸気量の他に水蒸気圧、飽和水蒸気圧との比でも表されます。
つまり湿度100%の場合はその温度における最大まで空気に水蒸気があるということになります。ジメジメと肌に湿気がまとわりつくような感覚に繋がりますね。

温度が変化すると飽和水蒸気量も変化するので、水蒸気量が同じでも温度が変化することで相対湿度も違ってきます。
冬によく見られる結露は、昼間の温度が高い時にあった空気中の水蒸気が、夜間の温度が下がった時に凝縮して水滴となる現象です。霧も似たような現象ですね。同じ水蒸気量でも温度の違いにより空気中に拡散したままか、それとも凝縮してしまうかという違いが出てくるわけです。

【余談】
飽和水蒸気圧は温度によって変化するので、値を知りたい場合はデータ一覧表もしくは実験、理論から求められた推定式を調べるといいでしょう(表や式はいろいろと種類が多いので、今回は説明は省きます)。

湿度の測り方

湿度を測定するときに用いられるものとして、
  • 毛髪湿度計
  • 乾湿球湿度計(フース式乾湿球湿度計、アスマン通風乾湿計)
  • 露点湿度計
  • 吸収湿度計
  • 電気湿度計
  • 赤外線吸収湿度計
などがあります。

測定原理としては、毛髪、糸では湿度による伸び縮み、電気式では高分子フィルムの湿度による電気抵抗の変化などを応用してるそうです。
それぞれ応答速度や誤差、耐久性、小型化が可能かどうかなど違いがあり、状況に応じて使い分けられています。

英語では

  • 湿度 : humidity
  • 絶対湿度 : absolute humidity
  • 相対湿度 : relative humidity
  • 湿度計 : hygrometer

まとめ

簡単に湿度についてみて来ましたが、湿度にまつわる話やより踏み込んだ話など湿度に関する範囲は幅広いです。湿度はパーセントで表される空気の湿り具合ではありますが、想像力を働かせて見てみればよりおもしろい側面が見えてくるでしょう。


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