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食品と化学の話 : 酸化防止剤としての二酸化硫黄

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ドライフルーツとなった杏(あんず)が手元にあるわけですが、市販品なので包装に成分表示が貼ってあります。 (ドライフルーツと言っても半生状態ですね) 杏のドライフルーツ それを見ると、単に杏を乾燥させたわけではなく砂糖も使われている模様。食べると結構甘いです。 それはそれとして、成分の中に酸化防止剤として二酸化硫黄なるものが記述されていました。 二酸化硫黄の成分表示 二酸化硫黄というとSO 2 で、調べてみると還元性があり酸化防止剤や漂白剤、雑菌の繁殖防止、発酵食品の発酵制御などに使われているようです。ただ有用な反面、摂取量によっては人体にとって有害という一面もあり、取り扱いに注意が必要な物質となっています。一般家庭では二酸化硫黄そのものを取り扱うことはまず無いでしょうね。 ドライフルーツの独特の風味にはこの二酸化硫黄の寄与もあるそうで、機会があれば使用したものとしていないもので食べ比べしてみたいところです。 スポンサーリンク Amazon商品リンク : ドライフルーツ

化学の話 : 乳化について簡単に調べてみました

最近よく聞く「乳化」という言葉 料理動画などで最近「 乳化 」という言葉を聞くことが多いような気がします。 例えば ラーメンのスープを乳化させる スパゲッティのソースを乳化させる などなど。ではこの「乳化」というのはどのようなことを示すのでしょうか?少し調べてみました。 いわゆるところの「乳化」 ニュアンス的には「乳化」とは、油に水(お湯)、または水に油を混ぜて激しく混ぜることで白く濁らせることを言っているようです。混ぜるに際しては鍋を揺すったりしゃもじで混ぜたり、激しく沸騰させたりなどの手段で行うのが一般的な模様。ミキサーやブレンダーなどで機械を使って行うものもありますね。 科学的に「乳化」を見てみる まず「乳化」とは「乳化させる」という行為を示すわけです。さて、水と油のように混ざらない分離した状態を乳化させると一体どのような状態になるでしょう? 「乳」という言葉が使われているので、牛乳のような白く濁った状態になるということなんでしょう。では、その状態を科学的に見てみることにします。 牛乳はなぜ白いのか 乳化した状態を考える前に、まずなぜ牛乳が白い(そして不透明)なのかを見てみることにします。話を短くするために簡略して説明すると、牛乳は水にタンパク質や脂肪分が細かく分散したもの(とここではしておきます)。それらの分散している微粒子が入ってくる光を散乱するため白く濁って見えることになります。 そこから考えると、乳化した状態とは水に何らかの微粒子が分散した状態と言えるでしょう。この状態は科学的には「コロイド」と言います。  (用語の細かい定義の説明は省きます) つまり「乳化させる」とは「何らかの手段によりコロイドの状態にする」ということになるわけです。 では具体的に「コロイド」とは何なのかについて見ていくことにしましょう。 「コロイド」について コロイドとは「コロイド化学」、「界面化学」などの分野で研究されているものです。また物質としてのコロイドを扱うものは多種多様に渡っています。食品、医薬品、大気汚染、塗料などの材料、自然現象などコロイドが登場する場は非常に多いです。 分散する粒子をコロイド粒子と言い、そのコロイド粒子は直径1〜500nm程度。また直径については資料によっては1〜1000nmと...

[雑学] ジョージアという地名を聞いて思い浮かべる場所

ジョージアと聞いて思い浮かべる場所  ニュースなどで「ジョージア」という地名が出てくることがあります。さて、その地名を聞いたときに、具体的にはどこのことを思い浮かべますか?  この問い、話としては「ジョージア」という地名が複数あることから、人によって思い浮かべる場所が違ったりします。 2つのジョージア  広く知られているジョージアは次の2つ 旧ソビエト連邦から独立したジョージア国(東ヨーロッパ、黒海の東岸に位置) アメリカ合衆国のジョージア州(アメリカ南東部、州都アトランタ)  なお、東ヨーロッパのジョージア国は以前は「グルジア」と呼ばれていました。日本における国名の扱いが切り替わったのが2015年なので、新しい呼び方の方は馴染みが薄いかも知れません。日本語の読みがグルジアでもジョージアでも英語名の綴りは同じ Georgia。そして、グルジアはロシア語読み、ジョージアは英語読みのようです。なぜ呼び方が切り替わったかについては、その国の事情や国際関係などがあるようで、そのへんは歴史的経緯などが絡み複雑なようです。 参考サイト ジョージア | 外務省 ジョージア (国) - Wikipedia ジョージア州 - Wikipedia

[雑談] 洗濯物の室内干しがなかなか乾かないのはなぜなのか

先日のブログで以下の洗濯ネタを書いたのでその関連でもう一つネタを。 [雑談] バスタオルは毎回洗うか、それとも数回使い回すか 洗濯物、最近は乾燥機能もある洗濯機が増えてきたのであまり干さないという場合もあるのかと。コインランドリーでも乾燥させてから持ち帰るということも多い。 まぁそれでも洗濯物を干すのはまだまだ多いでしょう。今回はそんな話。 冬のこの時期、特に関東など太平洋側は晴れて空気が乾燥していることが多いので、洗濯物もよく乾くでしょう。一方、日本海側は寒いし雪は降るしで、なかなか洗濯物も乾燥しない。 乾かそうとしてストーブの側で干して置いたら、洗濯物がふとした拍子に落ちてストーブの火が燃え移ってそのまま火事になるなんてニュースも。 そういう火事のようなマレに起きるケースは置いておくとして、洗濯物の室内干しは屋外に干すよりも乾きにくい。これはなぜかというと、主には乾燥する過程で洗濯物の水分が蒸発しても室内は基本風が無いため、その水分が再び洗濯物に吸着してしまうため。なので、エアコンなりサーキュレーターで風を当てるなり除湿機を合わせて使うなりというテクニックが用いられる。これが屋外だと、それなりに風もあるし室内のように空気がこもってはいないので蒸発した水分がそのまま飛んで行きやすい。 なので室内で洗濯物を効率良く乾かすには、上に書いたようなテクニックを用いるといいのかと。あとはあまり洗濯物を密着させず、洗濯物同士の間の空間に余裕を持たせるようにするのも効果的。乾かないまま干し続けると洗濯物から嫌な臭いが出たりするので、なるべく効率的に乾かしたいところ。 ちなみに干すところが無いからとカーテンレールに洗濯物をいくつも大量にかけておくと、レールのネジが外れて最悪抜け落ちます。賃貸だと敷金が…。基本、カーテンレールはカーテンの重量に耐えうるというものなので、それ以上の負荷をかけるのはあまりよろしくはない。ある程度は大丈夫だからと調子にのって大量にかけるのは良くないです。

地球を一周するときにどこの部分を回るかで一周の長さはどう違ってくるか

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今回のブログは数学と地理の雑学話。 地球の一周は約4万kmとは言われています。この数値は赤道に沿って一周した場合の長さのようですが、まぁ大雑把に見ればどこを回っても同じような長さでしょう(たぶん)。 で、ふと考えたのですが、例えば南極点から1m離れた場所をスタートしてそのまま南極点の周りを一周すれば約6.3m歩くだけで一周出来るのではないかと。別に南極点で無くとも、適当にある点を定めてそこを中心として一周すればどこでも同じ話になるでしょう。 「一周」をどう定義して扱うかになると思いますが、考えてみると結構おもしろいものです。 そこで話を終わらせるのもなんなので、もう少し考えていくことにします。 一周の最も長い場所が約4万kmとして、そこから離れた場所で一周するときの距離はどう計算すればいいかを考えることにします。 離れた場所の位置をどう表すかによるでしょうけど、ここでは緯度を使ってみることにします。緯度は赤道が0°で北極が北緯90°ですが、実際の地球の話にすると結構込み入った話になって取り扱い難いので簡単に球として考えることにします。 一周のイメージ図としては以下の通り。赤道を回るのがピンクの線で、任意の位置の赤道と平行になるような一周を赤で表しています。 円として見やすいよう上から見たときのイメージ図を描くと以下の通り。 さて、緯度が与えられているので、これを利用して赤い線の円の長さを計算することにします。 再び3Dの球体モデルに戻って考えると、図としては以下のようになります。 図より任意の一周の半径はxなので、xは三角関数を利用してcosθ*rで計算出来ます。rは球の半径なので4万km/(2*3.14)で求められます。半径が求まれば後は 2x * 3.14で一周の長さが計算出来ます。 実際の地点で計算してみます。東京は北緯35.7°あたりなので、ここから赤道と平行に一周回ると 2πr = cos(35.7)*40000/(2*3.14)*2*3.14≒32500 と約3万2500km。赤道周るよりも約7500km短くなるようですね。球をモデルで計算してるので、これが実際の長さになるわけではないですが、まぁ計算するとすればこんな感じ。

化学の話 : ニンジン🥕を切ったらプラスチック製のまな板に色がこびりついてしまう

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ニンジン🥕をまな板の上で切ると、特に白いプラスチックのまな板ではニンジンのあのオレンジ色がこびりついてしまいやすいです。みじん切りに細かく切る場合はとくに色がこびりつきます。 このこびりついたニンジンの色は洗剤を付けたスポンジやタワシでごしごし擦ってもなかなか落ちませんが、これを簡単に落とす方法としては 漂白剤に浸ける 日光に晒す サラダ油を垂らして擦る などがあるようです。以前お酢で落ちるか試したことはありますが、そのときはほとんど落ちずに変わりがありませんでした。 さて、まな板の汚れを落とすライフハックはともかくとして、このしつこいニンジンによる色汚れの原因はなんぞや?というのを考えてみることにします。 まぁ検索すればβ-カロテンがニンジンを切った時の汚れの元ってのはすぐ分かりますね。ネットですぐ情報が得られる。便利な時代になったものです。ただそこで話を終わらせるのもつまらないので、ネットの情報などをひっくるめてもうちょっと深堀りして考えてみることにします。 ニンジン🥕とは そもそもニンジンとは何かというと、セリ科の植物でその根の部分が主に食用とされます。よくスーパーで売られているニンジンはオレンジ色のものが多いですが、その他に紫色や黄色のものがあったりもします。で、その根の色の成分がカロテンというわけです。 ちなみにオタネニンジン(別名として朝鮮人参、高麗人参、単に人参とも)もニンジンという名前が付いていますが、種としては別のもの。元々、人参という名はこちらのオタネニンジンの方に付けられていて、後から入ってきたニンジンは形が似ているからという理由で同じ名が使われたようです(区別のために後から入ってきた方はセリニンジンとも呼ばれる)。 なおセリニンジンも中国で改良が進んだ東洋ニンジン、ヨーロッパで改良が進んだ西洋ニンジンがあり、現在日本でよく目にするのは西洋ニンジンの方。日本に伝わったのは東洋ニンジンが16世紀頃、西洋ニンジンは江戸時代後期のようです。 一言にニンジンといってもこのようにいろいろ指すのですが、それだと話がややこしくなるので今回は目にしやすい西洋ニンジンのことをニンジンと表すことにします。 さて、ニンジンは野菜として重宝されてきました。そしてニンジンに含まれる栄養素がなんだとか色素がなんだとかが分かってき...

【雑学】 雪が降る目安、上空の寒気を観測する技術について

よく天気予報のニュースで 「上空1500メートルにマイナス6℃の寒気が来ると地上で雪が降る目安」 とか 「上空5500メートルにマイナス36℃の寒気が来ると大雪になる可能性が」 などということを聞くことがあります。 少し調べた限りではこれは目安であってこれまでの経験則からそう言われているもののようです。 それはそれとして、では上空の寒気とはいったいどうやって観測しているのでしょう? 空気は目に見えるものではないので、空を見上げても上空の方の気温がどうかなんてのは分かりません。 地上からレーザーでも照射して反射してくる何かから割り出しているのでしょうか? それとも人工衛星から観測出来るのでしょうか? おそらく直接その高度に行って温度計で測るのが最も簡単だとは思います。飛行機で上空まで飛ぶとか、観測用のロケットを打ち上げるという方法もあるでしょう。ただそれを毎日毎日続けるのは大変です。悪天候では飛行機は飛ばせないですし、ロケットを打ち上げるにしても全国各地で観測するにはロケット打ち上げ場がたくさん必要になってきます。 とまぁ、考えてばかりでもしょうがないので上空の気温の観測について調べてみました。気象庁では1日2回、高層天気図というのを公表しています。 気象庁 | 高層天気図 気象庁|高層天気図について 高層天気図 - Wikipedia 高層天気図には上空の気温も載っているので、どうやらこの高層天気図の観測方法について調べればいいようです。そして、調べてみたところ観測方法については「ラジオゾンデ」という測定装置を用いているようです。 気象庁 | ラジオゾンデによる高層気象観測 ラジオゾンデ - Wikipedia ラジオゾンデは本体には温度計や湿度計などのセンサーがついています。そして名前にラジオがついていることから分かるように、無線で地上にデータを送ります。気球はあくまでもこの装置を上空に飛ばすためのものようです。 (個人的にはラジオゾンデというと、この気球もセットなものだと思っていました) このラジオゾンデが毎日2回、日本の16ヶ所で打ち上げられ観測したデータを地上に届けているそうです。 (他には南極昭和基地、そして世界各国で同様の測定が行われているようです) 過去の各地の観測データは以下から検索できます。...

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