化学の話 : 硫黄の地下からの採掘技術(フラッシュ法など)

フラッシュ法

硫黄を地下から採掘する技術としてHerman Fraschという技術者が考案したフラッシュ法(Frasch process)が用いられて来ました。

これは地下の硫黄鉱床中の硫黄を、加熱した水蒸気を地下に送り込むことで融解させて汲み上げることで採掘するという方法。採掘された硫黄は水分を含むため、山積みにして乾燥させていたそうです。
硫黄の融点は115℃なので、それ以上の温度の水蒸気を送り込めば地下の硫黄が融けるという寸法ですね。あとはそれをうまく汲み上げれば採掘できるということでしょう。

ただ石油や天然ガスから脱硫により得られる硫黄があるため、いまではこの方法を用いた採掘は行われていないようです。時代の流れを感じますね。

日本の場合

なお日本でも古くから硫黄の採掘が行われていて、火山のそばでは比較的容易に採掘出来ていたようです。火山性ガスに含まれる硫黄、または火山の熱で溶けた硫黄が熱水と共に地上に出てきて、それらが冷えることで硫黄が析出する、といったところでしょうか。
ただ容易と言っても掘る手間が少ないだけで、そのような場所では有毒な火山性ガスがあるため採掘には危険を伴っていたでしょう。こちらも石油から硫黄が得られるようになると、その採掘は無くなっていったようです。


参考リンク

コメント

スポンサーリンク


このブログの人気の投稿

gnuplotでプロットなどの色をcolornameの指定で変更する

catコマンドの出力を行番号付きにするためのコマンドラインオプション(-n, -b)

Ubuntu Softwareが起動しないのでいろいろと調べてみる(Ubuntu 20.04.1 LTS)

gnuplot : グラフにグリッド線を描く方法(set grid)

gnuplot : プロット画像のサイズ指定について(set sizeとの違い)