読書日記 ウィリアム・ゴールディング「蝿の王」

原題 LORD OF THE FLIES
著者 William Golding
訳 平井正穂
新潮文庫

今回読んだのは久々に海外モノの小説です。たまたま書店で手に取ったんですけど、あらすじを読むとなかなか面白そうだったので、買ってみました。

舞台は南太平洋の孤島。そこにイギリスの少年たちが乗った飛行機が墜落?した後あたりから物語が始まります。時代設定は第3次世界大戦中みたいな感じ(あまり明確ではない)。
で、誰もいない孤島で、少年たちが力を合わせて生きていくという心温まる友情物語…、と思いきや、まぁドロドロした展開ですこと。

この小説では、人間の心の闇の部分に焦点を当てています。登場人物は少年であどけないかなぁ?って部分もあるんですけど、物語の中盤くらいからどんどん暗くなっていきます。
ある意味、子供って残酷ですしね…。

人間、見えない恐怖にさらされると、いろいろと妄想じみた考えに染まっていく様子がわかります。少年たちがとる行動は、やっぱり子供っぽいんですけど、そこがまた物語を混沌とさせていくことに繋がっていくというあたりはなかなか面白いですね。

極限状態に置かれた人間がどんなことを考えるか、といったことに興味があれば読んでみて損はないかと思います。まぁ、現代社会もちっとも未来が見えないあたりは状況としては似ているのかも知れませんね。いつ人が狂気にとり憑かれてもおかしくないような…。


作者 ウィリアム・ゴールディングはこの作品でデビューしたらしいです(1954年)。なんでも教師をしながら小説を買いていたとか。それから1983年にノーベル文学賞受賞したそうです。結構有名な作家さんなんですね。知らなかった…。

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