ショートストーリー 「泉に落とした青春」

『あなたが泉に落としたのは
「好きな娘に好きだと言えた青春」
ですか?
それとも
「死のうとしてちゃんと死ねた青春」
ですか?』


…、二番目です…。二番目の青春を落としました。ボクにはそれが必要なんです。いますぐに返してください。返してよ…。ねぇ、返してったら!


『あなたはとても正直者ですね♪
それでは、あなたにはこの両方の青春を返しましょう』


え?両方…?


『はい♪でも、青春は一つしか選べません。あなたはどちらの青春を選ぶんでしょうね♪』


ボクは、ボクは…


『それでは、自分が納得できるまで悩んでください。悩んで、悩んで、悩みぬいて選んだ青春を楽しんでくださいね。それでは、さようなら♪』


…、いまさら選べなんて言われても、もうどうにもできない…。もう嫌だ、ボクはやっぱり「こっち」の青春を選ぶ。あのときできなかった、「こっち」の青春を。

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