科学の話 : フリーズドライはただ凍らせるだけでなく減圧乾燥も必要

切り干し大根を作っていて

秋に収穫した大根が結構な量あるので、切り干し大根作りをしていました。作り方は簡単で、単に適当な長さに切って干しておけばいいだけ。

切り干し大根作り01
切り干し大根作り - 切って干す

切り干し大根作り02
切り干し大根作り - 完成

さて、切り干し大根を作っているときに
「そういえばこういう乾燥させる手法はフリーズドライと言うのでは?」
ということが気になって、少し調べてみることにしました。
(切り干し大根作るときは必ずしも凍結状態になっている必要は無いので、フリーズドライというより乾燥野菜と言った方がいいでしょうけど)


よく目にするフリーズドライ

テレビ番組や雑誌などでフリーズドライされた食品の紹介がされてますね。ただ、その場合は昔ながらの製法で作られているものを「いわゆるフリーズドライ」として紹介されているものが多いでしょう。
フリーズドライの原理的には、それらの製法も見なそうと思えば自然なフリーズドライとして見なせるのでしょう。

技術としてのフリーズドライ

技術としてのフリーズドライ(freeze-drying)は凍結乾燥とも呼ばれています。この技術は簡単に説明すると、水分を取り除きたい材料を凍結させ、真空装置で減圧するというもの。これにより水分は昇華(固体→気体)するので、目的の材料から水分を取り除き乾燥出来るわけです。

凍結乾燥させることで、加熱してしまうと失われてしまう成分などを維持したまま乾燥できるというメリットがあります。

このフリーズドライの技術は食品だけでなく、工業や医療分野の薬品製造などにも使われています。

いわゆる自然環境を利用したフリーズドライ

よく見聞きする「いわゆるフリーズドライ」は自然な環境で行われているもの。凍結まではいいのですが、乾燥においては減圧ではなく乾燥した気候で行われるので、そこは技術的な手法とは異なるでしょう。それと日中に日に当てて融かして夜間に再び冷凍することを繰り返すという過程は、単なるフリーズドライよりも複雑なメカニズムを伴っているでしょう。

ちなみに技術、工業的なフリーズドライも単に凍結させ減圧するだけでなく、材料に合わせていろいろな行程が組まれているようです。

まとめ

今回は簡単に調べた範囲の話なので、詳しくは専門書や論文、もしくは専門企業のサイトなど参考にするといいでしょう。


参考およびまとめリンク

フリーズドライ - Wikipedia
Freeze-drying - Wikipedia

最新フリーズドライ食品製造技術~おいしいみそ汁の作り方~
Journal of the Vacuum Society of Japan, 2015 年 58 巻 9 号 p. 334-338 

真空凍結乾燥について
日本醸造協会誌, 2004 年 99 巻 2 号 p. 93-99
https://doi.org/10.6013/jbrewsocjapan1988.99.93

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