読書日記 アラン・ワイズマン「人類が消えた世界」

原題 :THE WORLD WITHOUT US
作者 : Alan Weisman

日本では早川書房より翻訳版が出版(2008年5月10日)
なんでもTIME紙が選ぶ2007年ベストノンフィクションだとか。

え?原書読んだのかって?もちろん読んだのは日本語版に決まっているじゃないですか(笑)

内容としては、ある日突然地球上から人類が消滅したときに、地上に残された建造物、人類の痕跡がどうなっていくのかという思考実験です。
例えば人の手によるメンテナンスがなくなった都市部でどのようにビルディング、橋、地下鉄が崩壊していく様子が書かれています。
まぁ、崩壊すると言っても自然の力によって崩壊していくので、時間として数十年〜数百年後にどうなるかといったことについて考察しています。
建造物への水の侵入、カビによる侵食、さらには下水システムが止まったらどうなるか、そして崩壊した都市に様々な植物や動物が戻ってくるまでを描いています。

まだ、初めの数章を読んだだけですけど。

建造物などの崩壊のメカニズムが科学的に考えられているので、この部分を読んでいるだけでもおもしろいです。この本を読んでいると、現代の都市というものがいかに非自然的で、常に人の手が入っていないと数十年で廃墟となってしまう様子がわかります。

どんな植物が戻ってきて、動物がどのような生態系を形勢していくのかについても書かれているんですけど、自分としては動植物についてあまり詳しくないのが辛いところ…。手元に動植物図鑑が欲しいところですね…

内容としては思考実験なのでいろいろとツッコミどころはありそうですけど、環境問題について
「人類が消滅したらどうなるか?」
といった切り口で取り扱うという視点は新鮮です。
確かに環境問題の究極的な答えとして、人類が絶滅してしまえば地球は自然に戻るっていうのがあると思いますけど、あまりに非現実的過ぎます。でも、あえて人類を消滅させてその後に地球はどうなるのかを考える、著者の発想力はすごいです。さらに発想力だけじゃなく、様々な科学的、歴史的データも持ちだしてきて説明しています。これだけの他分野に渡るデータをどうやって収集したんでしょうかね?自分じゃとっても集められないだけに、非常に興味深いところです。


まぁ、夏の夜長にまったりと続きを読んでいこうかと思います。

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